仕事をうまく進められない悩みを持った方は多くいらっしゃいます。
また、仕事の考え方がいまいちよく分からないという方も多いようです。
これらはなかなか会社で教えてくれることではありません。
そのため、個人個人が考えることを求められます。結果として、個人差が生まれ、仕事ができる人とできない人に分かれていってしまいます。
今回は仕事ができる側になるために、仕事に対しどのように考え進めればよいのかについてご紹介していきます。
ひとつひとつの仕事の考え方、進め方
仕事の考え方、進め方はおおかた形式が決まっています。
一般的には
- 目的・背景の明確化
- 目的を達成するために行動する
- 結論を出す
といった流れだと思います。
ですが、今回紹介するのはちょっと順番を変えて、
- 目的・背景の明確化
- 結論を仮定する
- 目的と結論をつなぐために行動する
- 話をまとめる
といったものです。
目的を達成するために行動する前に結論を仮定するかどうかが異なる点ですね。
では、なぜ先に結論を仮定するのか?
それは余計な行動をしないようにするためです。
目的を決め、それを達成するために行動するとアレもコレもと欲張ってしまい、結論がまとまらなくなることがあります。
そういった経験がある人もいるのではないでしょうか?
実際、僕の周りでも度々見ることがあります。
そうならないために、先に結論を仮定してしまうことが重要となります。
そうすることで、「その結論につなぐために必要な行動はなにか?」を考えられるので、様々な行動の中から取捨選択し、本当に必要なことだけに取り組めるようになります。
つまり、余計なことに時間を使うことがなくなるのです。
このように仕事の考え方、進め方を変えるだけで簡単に無駄を省くことができます。
では、次項から各工程での目的や注意点などについて説明していきます。
ぜひ以下の内容を押さえて、仕事をより早く済ませられるようにしていきましょう!
目的・背景を明確にする
始めに目的と背景を明確にしましょう。
目的を決めるということは、何を何のためにするのかを決めるということです。これを決めないと何をどうしたらいいのか何も決められません。
目的地が決まっていないのに歩き出してしまえば、どこに向かっているのかもわからないまま、道に迷って迷子になって終わりです。それと同じです。
目的がなければ、ただただ迷うだけで何も仕事は進みません。
必ず明確にしておきましょう。
また、背景とは、この仕事に取り組む理由やきっかけなどのことです。
例えば、「契約や規格が変更されたためその対応が必要となった」などが背景となります。
背景は、目的設定の理由といった位置づけになります。
そのため、目的の妥当性を確認するためにも、背景の明確化は重要となります。必ず把握するようにしましょう。
結論を決めてしまう
目的・背景を明確にしたら、過程を飛ばして先に結論を決めてしまいましょう。
このとき、ベストな結論とベターな結論を準備するのがポイントです。
それぞれの結論は下記のようなイメージです。
- ベストな結論=最も望まれる結論
- ベターな結論=100点ではないが合格点ではある結論
ピンとこない方もいると思いますので、具体的な例を挙げてみますね。
例えば、友達に料理をふるまうとしましょう。
ベストな結論は、レストランで出てくるような味と見た目のクオリティでありながら、安くて簡単にできる料理などが挙げられるでしょう。
相手にとっても自分にとっても、いいことしかない最高の選択肢です。
一方でベターな結論は、レストランで出てくるような味と見た目のクオリティはだせるし、値段も抑えられるがそこそこの時間が必要な料理などが挙げられます。
この場合は、相手にとってはベストだが自分にとってはちょっと手間がかかり面倒であるという印象です。つまり、一長一短な選択肢と言えるでしょう。
上記の例からも分かりますが、たいていの場合、ベストな結論は実現が非常に難しいです。
そのため、ベターな結論から考え始める人もいます。
しかし、ベストが分からないのに本当にベターな結論が出せるでしょうか?
答えはNOです。
実際、ベターな結論から考えている人が出した結論はベストの次点というよりはさらに下位になるような結論がほとんどです。
その理由は簡単です。
結論はいくつかの要素から成ります。
上記の料理の例の場合だと、「味」「見た目」「お金」「時間」という料理に関する4つの要素に加え、料理を作る「自分」とそれを食べる「相手」の合計6つの要素から成り立っています。
ベストな結論とは、このようなすべての要素において良い選択をした結論の事に対し、ベターな結論というのはいずれか1つもしくは2つ程度の要素にマイナスがある結論と言えるでしょう。
ベストな結論がわかっていれば、その結論を構成する複数の要素を把握することができます。それが把握できていれば、1~2つの要素で妥協したベターな結論を導出できます。
しかし、それを把握していなければ、さらに妥協点が増えてしまった結論を出してしまう可能性が上がります。
そのため、ベターな結論から考えるのはオススメしません。
結論を決める際には、ベストな結論を考えた上でベターな結論を複数準備しておくようにしましょう。
結論につなげるための情報を集め整理する
目的と目標となる結論が決まったら、次に結論につなげるための行動が必要となります。
この工程でやることを簡潔に言うと、結論を裏付けるためのデータ集めです。
結論が決まっているので、必要なデータが何かを把握し探すだけです。
ただし、このデータ探し時には意識しておくべきポイントがあります。
それは、
- データの正確性
- 探すデータの切替タイミング
の2つです。
目標となる結論が正しいかどうかは裏付けデータの正確性によります。
集めてきたデータが正しいものであるかどうか必ず確認しましょう。正確性を担保するには、
- 社内ですでに認証された資料データ
- 学会などで発表され、認められたデータ
- 実績が証明できる資料データ
を用いることです。第三者に認められているものであれば、正確性を担保されていると考えてよいでしょう。
そして、このようにデータを集める中でベストな結論は無理だと判断したら、ベターな結論につなげるように切り替えていきましょう。
このときに「なぜベストな結論は無理なのか?」を明確にしてください。
なぜなら、ベターな結論を選択すると、必ず「なぜベターな結論にしたのか?ベストな結論の方が良いではないか」と指摘されます。
これに答えられなければ、ベストな結論につなぐために再度データ集めをすることとなります。要はやり直しです。
できるのであれば、ベストな結論の方がいいに決まっています。
明確な理由がないのにベターな結論を選ぶのは、考えが甘いと思われてもしょうがありません。ベターな結論は、あくまでベストな結論がどうしても満たせないから致し方なく選ぶものです。
ベターな結論につなげるのが簡単だからといって、楽をしようとベターな結論を選択するのはご法度です。どうせやり直しになるのですから、やるだけ時間の無駄です。
楽をするのではなく、論理立てて説明できるかどうかを意識して、データを集めましょう。
また、データを集めるために調査するのか、試験やシミュレーションが必要なのかなど手段の選択も必要となります。この選択次第で仕事の進み方にも影響をきたすので、慎重に考えましょう。
時間がかからない手段を取ることも大事ですが、データの不足によっては時間がかかる場合もあります。
日程などを考慮し、適切な手段の選択をしていきましょう!
考えるときのポイント
仕事の考え方については前項までとなります。
この項では前項までの内容を実践する際のポイントについて、簡単に紹介します。
各仕事について考える際に意識してほしいポイントは、視覚的に見えるようにすることです。
裏紙でもなんでもいいので、文字や図を書いて、視覚的に見えるようにするということが重要です。
これには次2つの効果があります。
- 内容を整理しやすい
- 内容を理解しやすい
まず、視覚化することで内容を整理しやすくなります。
頭の中で考えていると、内容が複雑になるにつれ混乱しやすくなります。そうすると考えていた時間が無駄となってしまいます。
しかし、裏紙などに書くことで内容を順序立てて考えることができます。また、目に見える形で残っているので内容がごちゃごちゃになりづらく、混乱することを防げます。
そして、内容を理解していないと考えを文字や図に起こすことはできません。
つまり、文字や図に起こせない部分については理解できていない、ということを知ることができます。それが知れれば、その内容について再度理解するよう努められます。
このようにして理解したものは、すぐには忘れません。
そのため、説明を求められた際でも簡単に説明できるようになります。
以上のことから、仕事をすすめる際には視覚化して見えるようにすることをオススメします。
まとめ
仕事ができる人というのは、自分にあった考え方のフォーマットを持っています。
それを基に、適した手段の選択をし、仕事を進めていきます。
何事においても、考えるということは基本です。手段はあくまでその先にあるものです。そのため、まずは考え方のベースを作っていきましょう。
まだ考え方にベースがない方については、今回ご紹介した内容をフォーマットにしてみて、自分にあうよう形を変えていってみてください。
そうすることで仕事の進み方はグンと変わるはずです。
もちろん、自分の仕事に必要な専門知識を学ぶことも重要です。しかし、それのほとんどは手段についての話です。それに、専門知識については会社でも教えてくれます。
ですが、考え方についてはほとんど教えてくれません。
だからこそ、考え方については自分から勉強する必要がありますし、勉強すればするほど周りと差をつけられる分野でもあります。
考え方、思考法については様々ありますが、仕事においては事取捨選択を求められることが多いように感じます。選択することは誰でもできますが、捨てることができないという人が非常に多いようです。そんな方にはコチラの本がオススメです。
内容に関する記事もあります。まずはコチラを読んでみて、気になった場合はこの本を読んでみてください。必ずあなたの役に立つはずです。